成果事例
要介護4(腰椎圧迫骨折・脊椎管狭窄)で歩くことが怖かった方がリハビリで自信をもって歩けるようになるまで
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ビーナスでは、サービス力向上のため、「成果に対して根拠ある仮説を立て検証すること」を大切に、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを続けています。
今回は、『Venus Value Award 2021 プラス事業課 セラピスト部門』の発表を一部抜粋し、要介護4(腰椎圧迫骨折・脊椎管狭窄)で立ち上がりや歩くことが怖かった方がリハビリにより自信をもって歩行できるようになった事例についてご紹介させていただきます。
「Venus Value Award」とは、ビーナスが年に1度実施している、成果=Value(ビーナスがお客様に約束する価値)の発表会です。審査員には、各専門分野の先生をお招きし、厳正なる評価・審査を行います。
ビーナスに通ってくださるご利用者様の日々の変化や、事例を共有する場であるとともに、ご利用者様の生の声や仲間が努力した結果を感じる場でもあることから、多くの学びを得る機会としてスタッフに好評のイベントです。
自分で歩けるようになりたい!というご利用者さまの目標を叶えたい
ビーナスでは、全介助(必要な動作を全面的に介助すること)ではなく、リハビリ介助(※)に取り組んでいます。
※リハビリ介助
一人ひとりの身体状況を把握した上で、ご利用者さまができることまですべて介助するのではなく、ご利用者さまの力を最大限発揮できるように補助することを、ビーナスでは「リハビリ介助」と呼んでいます。
「奥様の介護が生きがいだったが、転倒による骨折で介護ができなくなり、奥様は施設へ入所。もう一度、奥様と一緒に暮らすため自力歩行できるようになりたい」という強い目標を持っておられるご利用者さま(要介護4)に対し、セラピストが専門的な知識と経験により、必要な筋力や動作を検討、全スタッフでトレーニングをサポートさせていただきました。
▼ご利用者さまの初期評価の一部抜粋
立ち上がりに必要な筋力をはかるため徒手筋力検査を行った評価は表の通りです。
【徒手筋力評価(MMT)のイメージ】
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0 力が入らずふにゃふにゃ
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1 少し力が入る(筋肉に収縮が入る)
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2 なにかに捕まればおしりが上がる状態
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3 なにかに捕まれば立てる状態
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4 立った状態で軽いものが持てる
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5 立った状態で重たいものが持てる
今回のご利用者の場合、2~3ということで、なにか支えがあっても立てるか立てないか、という状態でした
具体的な取り組み
ご利用者さまの初期評価を考慮して、奥様と一緒に生活するために必要な筋力・バランス力を重点的にトレーニングする治療プログラムを立てました。
▼トレーニング内容の一部抜粋
①体幹筋力増強運動(例:腹直筋群、殿筋群の運動やFACTトレーニングなど)
②下肢筋力増強運動(例:股関節を広げる股関節外転筋の運動やマシントレーニングなど)
③関節可動域訓練
④座位立位での荷重練習
⑤立ち上がり歩行の動作練習
特に「⑤立ち上がり歩行の動作訓練」では、全スタッフが一丸となってリハビリ介助に取り組み、徹底的に動作練習を行いました。ご利用開始から半年経過したした時点での筋力評価は図の通りです。
当初、2~3だったところから4へ改善し、何も持たなくても立ち上がれるレベルに向上しました。
立ち上がり時に感じていた強い痛みも大きく改善し、ほとんど痛みを感じないレベルまで改善しました。
目標の達成が次のより大きな目標のきっかけへ
最初は、「まずは家の中を自由に歩ければ」と考えておられたご利用者さまも、お体の状態が改善していくにしたがって、「近くのスーパーに買い物に行って奥様になにか食べさせてあげたい」と次の目標を持ってくださるようになり、さらにやる気を持ってトレーニングに取り組んでくださいました。
ご利用者さまご自身が、非常に努力してくださったこともあり、「歩きたい!」という目標を実現することができました。
超健康社会を目指すうえで、セラピストの果たすべき役割は非常に大きいものであると考えています。
これからも、セラピストとしての知識やスキルを日々向上させ、今回の症例のように、ご利用者さま一人ひとりに寄り添いながら、ご利用者さまの理想の実現に関わっていきます。