成果事例
口腔機能維持・向上プログラムの効果を身近なアイテムで楽しみながら測定
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ビーナスでは、サービス力向上のため、「成果に対して根拠ある仮説を立て検証すること」を大切に、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを続けています。
今回は、『Venus Value Award 2021 プラス事業課 リハビリアシスタント部門』の発表を一部抜粋し、口腔機能の維持・向上を目的としたビーナスオリジナルプログラム『マウササイズ』の効果を身近なアイテムで楽しみながら測定した事例についてご紹介させていただきます。
「Venus Value Award」とは、ビーナスが年に1度実施している、成果=Value(ビーナスがお客様に約束する価値)の発表会です。審査員には、各専門分野の先生をお招きし、厳正なる評価・審査を行います。
ビーナスに通ってくださるご利用者様の日々の変化や、事例を共有する場であるとともに、ご利用者様の生の声や仲間が努力した結果を感じる場でもあることから、多くの学びを得る機会としてスタッフに好評のイベントです。
口腔機能の変化を分かりやすく楽しみながら測定したい
話す・食べる・噛む・飲み込むといった「口腔機能」は、運動器機能の筋肉と同じように、年齢とともに衰えます。だからこそ意識的に鍛えることが重要なのです。
ビーナスでは、口腔機能の維持・向上を目的としたオリジナルプログラム『マウササイズ』を開発しました。
口腔機能を鍛えることで、誤嚥性肺炎の予防にもつながるため、積極的に取り組んでいます。
(※プログラム内容監修:関西福祉科学大学 保健医療学部 言語聴覚学専攻 准教授 前田留美子 先生)
しかし、筋力アップが目に見えやすい手足などの筋肉とは異なり、口腔機能は成果が実感しづらい筋肉です。
そこでビーナスでは、「ご利用者さまに分かりやすく楽しみながら測定できるようにしたい」との想いから、身近なアイテムを使って、口腔機能の変化を追いかけてみました。
具体的な取り組み
口腔機能の変化を追いかける方法として、一般的に用いられる
- RSSTテスト
(30秒間で何回飲み込みができるか) -
オーラルディアドコキネシステスト
(「パ」「タ」「カ」の音を5秒間測定し1秒間の平均を取る)
に加えて、ビーナスならではの「楽しみながら取り組める測定方法」として取り入れたのが「吹き戻し」と「早口言葉」です。
また、口腔機能維持・向上プログラム『マウササイズ』についても、昨今のコロナ禍でマスク着用で実施していますが、スタッフの口の動きが伝わりやすいように、大きなパネルや歯の模型を使って指導したり、動画を公開しQRコード経由で家でも確認できるよう、環境を整えました。
トレーニングの内容は、唇び動きや顎の動き、腹式呼吸など、飽きがこないように重点的に鍛える部位にバリエーションをもたせています。
また、送迎車の中で早口言葉の練習をしたり、自宅でも取り組めるような宿題チラシや、毎日チェックできる専用カレンダーをお渡しするなど、モチベーションアップにつなげる工夫も行いました。
4ヶ月間の取り組みから分かるマウササイズの効果
4ヶ月という期間を設定し、最初・中間・最後の計3回の計測を行い、各チェック項目の平均を比べてみました。
すべての項目において、口腔機能の向上が見られるのに加えて、改善が目に見えることでご利用者さまのモチベーションアップにも繋がりました。
身近なアイテムである「吹き戻し」を使うことで、楽しみながらトレーニングや測定に取り組んでいただくと同時に、その身近なアイテムを活かして本気でトレーニングしていただけたからこそ、しっかりと改善につながったのだと思われます。
お一人おひとりに寄り添いながら楽しくトレーニング
今回の取り組みのなかで、身近なアイテムを使って真剣に効果測定に取り組むことで、楽しみながらもしっかりと目に見える効果を実感することができました。
また、ご自宅でのトレーニングの状況をお聞きしたり、お体の状態を確認したりと、ご利用者さまお一人おひとりに寄り添いながらトレーニングを行なう重要性を再確認しました。
目に見える効果を楽しみながら測定できることで、高いモチベーションが保たれ、高齢者の筋力維持・向上において重要な「運動に継続」にもつながっているものと考えられます。
ビーナスでは、今後もさらにご利用者さまとの関わりを強化し、「ご利用者さまが楽しく意欲的に取り組める運動」に力を入れながら、価値あるサービスを提供していきたいと考えています。