株式会社ビーナス

ビーナスブログ

成果事例

心休まる環境での在宅看取りを実現するためのご利用者さまやご家族さまとの関わり方

公開: 最終更新:

ビーナスでは、サービス力向上のため、「成果に対して根拠ある仮説を立て検証すること」を大切に、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを続けています。

今回は、『Venus Value Award 2022 訪問看護事業課 訪問看護部門』の発表を一部抜粋し、心休まる環境での在宅看取りを実現するためのご利用者さまやご家族さまとの関わり方についてご紹介させていただきます。

参考Venus Value Award とは

「Venus Value Award」とは、ビーナスが年に1度実施している、成果=Value(ビーナスがお客様に約束する価値)の発表会です。審査員には、各専門分野の先生をお招きし、厳正なる評価・審査を行います。

ビーナスに通ってくださるご利用者様の日々の変化や、事例を共有する場であるとともに、ご利用者様の生の声や仲間が努力した結果を感じる場でもあることから、多くの学びを得る機会としてスタッフに好評のイベントです。

 

人生の最後の瞬間を充実感を持って迎えてほしい

『ビーナス訪問看護ステーション』では、ご利用者さまだけでなく、ご家族さまや地域の医療機関、ケアマネージャーさまとも連携を取り、より安心な在宅生活を送るお手伝いをしています。

近年、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響から、在宅看取りに関するご相談をいただくことが増えてきました。

参考看取りとは

人生の最後の瞬間を迎えるまで見守ること

参考在宅看取りとは

慣れ親しんだ自宅で最後まで過ごせるようサポートすること

今回ご紹介する事例のご利用者さまは、橋出血・てんかん複雑発作で救急搬送後、痙攣発作が頻発し、食事や内服が困難で医師からは余命2ヶ月と宣告された方でした。

※橋出血
中脳と延髄の間にある「橋」が出血するの脳出血のこと。生命活動の基礎となる重要な部分のため、最初から重篤な状態に陥る可能性が高い。

ご家族さまが在宅看取りを希望され、

  • 本人が苦痛を伴う延命措置は行わない
  • 救急搬送はしない

と医師へ意思表示され、サポートを開始しました。

 

具体的な取り組み

今回の事例のご家族さまは、ご利用者さまに加えて認知症のご家族も同居しておられ、介護の増加や看取り経験の無さに大きな不安を感じておられました。

そこで私たちは、安心して在宅生活をおくることができ、在宅介護・在宅看取りができるよう、24時間緊急対応の体制を整えるとともに、3つの目標を立てました。

【3つの目標】

  • 誤嚥性肺炎などの感染症の予防
  • スキントラブル(発赤疹・不良肉芽・褥瘡など)の予防
  • 在宅介護に関するご家族への指導とメンタルサポート

喀痰吸引や体位変換に関する指導や、肌への刺激を予防するカテーテル固定の工夫、発汗のし過ぎによる脱水症状を避けるためのこもり熱予防など、ご利用者さまのお体の状況に合わせて、ご家族さまに寄り添いながらサポートを続けさせていただきました。

 

また、多職種での連携にも注力し、

  • 嚥下がまったくできなかった → 言語聴覚士による嚥下訓練
  • 拘縮が強い → 理学療法士によるリハビリ
  • 在宅医の診察同行や関係者への報連相

など、看護師を中心に情報交換、サポートの方向性を常に確認しました。

 

予想外のトラブルも丁寧に対応

順調な在宅生活を送るなか、予想外の事態に遭遇したこともあります。

訪問看護を開始して2ヶ月経ったある日、なんとご家族さまがコロナウイルスに感染、ご利用者さまが濃厚接触者となってしまう事態が発生しました。

他の介護サービスが利用停止となるなか、PPE(個人防護服)を着用して看護師の介入は継続。

ご家族さまは、マスクを2枚重ねて、ご自身が体調不良のなか懸命に介護を継続され、ご利用者さまへの感染を防ぐことができました。

 

在宅ケアのプロとして人生の最後に寄り添う

ご利用者さまに寄り添い、密にコミュニケーションを図ることで、順調に在宅介護をサポートさせていただくことができています。

重症感染症の発症も防ぐことができており、余命2ヶ月の宣告から半年が経過した現在は、看取り方向ではなく状態が安定され、QOLレベルも向上しました。

看護やリハビリの継続的な介入が、ご利用者さまの五感を刺激し、意識レベル上昇につながったものと思われます。

 

在宅医療最大のメリットはご利用者さまとご家族さまが水入らずで自宅で過ごせることです。

ご利用者さまの一番の「願い」はご家族に近くにいてもらうことではないでしょうか。最期を迎える瞬間まで最愛の家族と一緒に過ごしたいと考えていると思います。

私たち訪問看護師は、終末期のご利用者に対し、全人的苦痛を排除し、本人が穏やかな最期を迎えられるよう援助します。

在宅ケアのプロとして、ご家族の不安・負担が大きいため、常にご家族への声掛けを行い、安心してそばにいてあげることが出来るようにサポートしています。

人生の最期に寄り添える訪問看護師の仕事に誇りをもっております。

これからも看護師として、安心した最高の在宅見取りを提供してまいります。

鍛えたい部位で他の記事を見てみる

資料請求フォーム