株式会社ビーナス

ビーナスブログ

成果事例

身近なアイテムを使った誰にでもできるアプローチが片麻痺のご利用者さまの立ち上がりに与えた変化

公開: 最終更新:

ビーナスでは、サービス力向上のため、「成果に対して根拠ある仮説を立て検証すること」を大切に、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを続けています。

今回は、『Venus Value Award 2022 プラス事業課 セラピスト部門』の発表を一部抜粋し、身近なアイテムを使った誰にでもできるアプローチが片麻痺のご利用者さまの立ち上がりに与えた変化についてご紹介させていただきます。

参考Venus Value Award とは

「Venus Value Award」とは、ビーナスが年に1度実施している、成果=Value(ビーナスがお客様に約束する価値)の発表会です。審査員には、各専門分野の先生をお招きし、厳正なる評価・審査を行います。

ビーナスに通ってくださるご利用者様の日々の変化や、事例を共有する場であるとともに、ご利用者様の生の声や仲間が努力した結果を感じる場でもあることから、多くの学びを得る機会としてスタッフに好評のイベントです。

 

超健康社会の実現のために専門的な知見を活かしたい

ビーナスが目指す未来(VISION)は、子どもも大人も高齢者も、年齢に関係なくいつでもこころが成長し、明日にワクワクする人が増え続ける「超健康社会」を日本のスタンダードにすることです。

超健康社会の実現に向けて、ビーナスのセラピストのリハビリにおける専門的な知見を、もっと広く活かすことができないか?と考えました。

そして、半日型入浴&リハビリデイサービス『ビーナスプラス』において、もっとも利用率の高い片麻痺のご利用者さま向けに、身近なアイテムを使った誰にでもできるアプローチを考案し、趣旨に賛同いただいたご利用者といっしょに取り組みを開始。

立ち上がり動作に与える変化を分析しました。

 

具体的な取り組み

今回の取り組みには、麻痺側上肢の緊張が高い(=筋肉が過剰に収縮した状態/Br.stageⅢ~Ⅴ) 5名のご利用者さまにご参加いただきました。

具体的な取り組みの一部をご紹介します。

 

▼三角クッションによる矯正的骨盤前傾アプローチ

立ち上がりを安定させるためには、立ち上がり前の姿勢、特に骨盤の動きが正しい必要があります。

床ずれの予防などで利用される「三角クッション」を用いて、正しい骨盤の位置を意識しながら立ち上がり動作を指導させていただきました。

▼青竹踏みによる足部感覚刺激促通アプローチ

片麻痺の方の立ち上がりが安定しづらい要因の1つとして、麻痺側の足裏の感覚が弱くなり、地面を踏みしめている実感が持てずに、十分に体重をのせることができていない可能性があります。

そこで踏み込む感覚を意識してもらえるよう、青竹踏みに体重をかける動作を繰り返し、足裏の感覚を取り戻す訓練を行いました。

また、立ち上がりの際にどれくらい体が傾いているのかをご利用者さまご自身に理解いただき、視覚的修正効果を得られるよう、常に全身鏡を見ながらトレーニングを行いました。

 

4ヶ月後の変化

取り組み前後の、立ち上がり時の麻痺側下肢の荷重量を比較したグラフです。

すべてのご利用者さまに改善が見られ、健側と麻痺側の荷重量がかなり近づきバランス良く立ち上がり動作を行えるようになりました

また、座位時の麻痺側臀部への圧覚検査においても改善が見られ、座位・立位など基本肢位も改善し、立ち上がり動作の安全性が向上していることが分かります。

イメージとしては、取り組み前は左側の写真の姿勢だった方が、正しい骨盤の前傾や、麻痺側への荷重により、右側の写真のような姿勢を取れるようになった、という結果です。

できることが増えれば気持ちもポジティブに

取り組みを続けるなかで、ご家族さまに、ご利用者さまのご自宅での様子についてお話をうかがったところ、「できることが増えてきて、自分から体を動かすようになり本人も喜んでいる」という嬉しいコメントをいただきました。

来所時だけでなく、普段の生活においてもできることが増えれば、「次はこんなことをやってみよう!」という目標の更新に繋がります。

これからも、セラピストとしての知識やスキルを日々向上させ、今回の症例のように、ご利用者さま一人ひとりに寄り添いながら、ご利用者さまの理想の実現に関わっていきます。

鍛えたい部位で他の記事を見てみる

資料請求フォーム