成果事例
要介護高齢者2,000名の体力測定結果から分かる運動の効果と大切にしたいポイント
公開: 最終更新:
ビーナスでは、サービス力向上のため、「成果に対して根拠ある仮説を立て検証すること」を大切に、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを続けています。
今回は、『Venus Value Award 2021 クラブ事業課 運動スタッフ部門』の発表を一部抜粋し、2,000名を超えるご利用者さま(要介護高齢者)の立ち座り体力測定の結果から分かる運動の効果と大切にしたいポイントについてご紹介させていただきます。
「Venus Value Award」とは、ビーナスが年に1度実施している、成果=Value(ビーナスがお客様に約束する価値)の発表会です。審査員には、各専門分野の先生をお招きし、厳正なる評価・審査を行います。
ビーナスに通ってくださるご利用者様の日々の変化や、事例を共有する場であるとともに、ご利用者様の生の声や仲間が努力した結果を感じる場でもあることから、多くの学びを得る機会としてスタッフに好評のイベントです。
自信を持って日常生活を送れるようになって欲しい
半日型フィットネスデイサービス『ビーナスクラブ』をご利用いただく方向けに
・筋力レベルのテスト(立ち上がりテスト)
・日常生活動作に関するアンケート
を実施させていただいたところ、
- 一般高齢者よりも下肢筋力が低い
- 自己効力感(※)が低い
という課題が明らかになりました。
※自己効力感
「この行動をすれば目標を達成できる!」「その行動を自分だったらできるはず!」と自信を持って行動すること
「もっと自信を持って日常生活を送れるようになって欲しい」との想いから、ビーナス強みである「集団運動」を活かして、理想の自分に近づくためのトレーニングを開始しました。
18事業所でなんと2,034名ものご利用者さまにご参加いただき、事業所の垣根を超えた取り組みとなりました。
具体的な取り組み
日々の集団体操はもちろんのこと、個別メニューの実施や成果のフィードバック、タンパク質の摂取に関するご提案など、ご利用者さまのお体の状態に合わせて柔軟に実施しました。
口腔機能の維持・向上を目的としてビーナスオリジナルプログラム『マウササイズ』と合わせて、噛む力と転倒リスクの繋がりに着目したトレーニングなども実施しました。
そして、3ヶ月経過した段階で、もう一度同様の体力測定・アンケートを実施し、その変化を追いました。
3ヶ月間の取り組みから分かる運動の効果
ご参加いただいた2,034名のご利用者さまのうち、手すりなしで立ち上がれる方1,848名を、年代別に分けて成果を比較してみると、平均で3.6秒もタイムが短縮しました。
また、取り組み前は手すりを利用しなければ立ち上がりができなかった155名のご利用者さまのうち、80名の方が手すりなしで立ち上がれるようになり、タイムも4.06秒短縮されました。
アンケート結果についても、自宅での生活や公共交通機関を使った外出など、自信をもって取り組めるようになったと、回答いただきました。
運動に取り組むうえで大切なポイント
高齢者の筋力維持・向上には、
- 一定のボリューム(運動量)を確保する
- 継続的なトレーニングを実施する
の2点が非常に重要です。
しかし、一人でトレーニングを継続するのはなかなか難しいですよね。
ビーナスの集団運動は、このボリュームの確保と維持がしやすいことに加えて、他のご利用者さまとの体力のレベルや進歩を比較する機会を設け、「できた!やりとげた!」という達成感を共有することができます。
ビーナスでは、これからもご利用者さまが自信を持って日常生活を送ることができるように、成果を実感いただける取り組みを継続してまいります。